近年、シールドトンネルでは、シールドマシンの性能向上や、セグメントの品質向上に伴い、二次覆工一体型セグメントが適用される工事や二次覆工自体が省略される仕様のシールド工事が主流になりつつあります。このような中でも急曲線部では、シールドジャッキの大きな偏心荷重をうけるため、また分岐合流部では将来的に開口を設けることなどから、鋼製セグメントが使用されています。しかしながら、RCセグメント仕上がりとすることで、鋼製セグメントと覆工表面とのかぶり厚さが薄く、さらに鋼製セグメント内のリブ構造が複雑になっていることから、これらを完全に充填し被覆する覆工技術が求められていました。
TDRショットライニングシステムは、劣化したコンクリートを断面修復する高性能モルタルの湿式吹付け工法をペースにした技術で、従来の現場打ち覆工コンクリートでは困難が予想される、鋼製セグメント内並びに鋼製セグメントと覆工仕上がり面との間隙を充填することを目的に開発しました。TDRショットライニングシステムは、シールドトンネル用に開発した低コストの特殊モルタルを鋼製セグメントのリブ内の狭空間に吹付け充填し、さらに表面仕上層にシールドトンネルの用途に応じ、各種要求·性能を満足する高品質なモルタルを選定し吹付ける工法で、連続練りミキサーを使用することで大容量のモルタル吹付けを可能にしています。